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泡沫のパティ 川 ゚ -゚) 約束を抱いて眠るようです

川 ゚ -゚) 約束を抱いて眠るようです 

ネタバレ有り。

川 ゚ -゚) 約束を抱いて眠るようです
まとめ先はブーン系小説に花束をーーさん。

微妙に話は逸れるけれど、今年は現行作品の殆どが年内完結していると思う。
この約束を抱いて眠るようですもまた、2010年に始まって2010年に幕を閉じた作品の一つだ。

記憶喪失の中森で目覚めたクーは、一冊の本を手に取る。
そこに記されていたのは自分自身の記憶。
記憶とともに忘れてしまった約束を思い出しながら、クーはページを捲っていくのだった。

魔法が存在するファンタジー世界で
一国の王女クーと極悪非道の魔女トソンとの会話を中心に話は繰り広げられている。

記憶を呼び起こすがために本を読み進めていくクーと共に
読み手である私達も本に書かれている事件や出来事、約束の正体についていく話の流れは
とても面白いと思う。

言ってしまえば私達読み手は絶対に物語に干渉する事は出来ない。
常に第三者であり続ける私達と、同じく記憶が無いが為に
第三者の立場を取り続けるクーと一緒に物語が進行していってワクワクする。

合間に何故か、どうしてかと挟むクーの疑問は
正に読み手である私達が抱いている疑問そのもの。
クーを介して物語に干渉をしているような気分になるのだ。

全体の流れだけじゃなくて、クーとトソンとのやり取りや二人の間に芽生えた友情も良い。
一話時点でこの二人実は仲良しなんじゃないかと思うくらいの良いコンビだった。

トソンの犯行の動機の二つの内の隠された一つについて。
読み終わった後に思うともしかしてトソンはある程度自分の運命を
理解していたのではないかと思う。

>(゚、゚トソン 「抗えないから、運命」
>
>(゚、゚トソン 「知っていても、どうしても捻曲げることの出来ない、必然」
>
>(゚、゚トソン 「だから、人に夢と書いて、儚いと言うのでしょうか」

トソンに未来予知があるかなんて、作中では示唆されていないけれどこの言葉を見て思う。
この話が始まるよりもっと前、自分の身に降り掛かる出来事を予想した上で
自らの運命をクーに託したんだろうと。

国と極悪非道の魔女との交渉が交わされる三日目。
友情を交わしたトソンはクーの為に庇い、クーもまたトソンの為に守る。
特にトソンが全ての元凶である人物と対峙するシーンは本当に格好いい。
極悪非道とは名ばかり。彼女の真の強さと優しさがその肩書きを吹き飛ばしたんだと思う。

と、ここまで書いてやっぱり主人公はクーではなくてトソンなのかもしれないとか思った。
というのも話の全体を通してクーを中心に動いているのではなく
トソンが何かと中心になっているからだ。

その最もたる理由は本編終了後のエピローグ。
元々のタイトルがクーであるんだから、クー視点の話が続くのかと思いきやそうではない。
トソン視点から見る物語の終幕と、第二の約束がそこには描かれていた。
最初に読んだ時はほんの少しだけ不完全燃焼だったけれど
本編もトソンが主人公という視点で見るならば、このエピローグにも納得がいく。

とか色々書いたけれど
約束を抱いて眠っていたのは間違いなくクーである事に変わりはなくて
クーとトソン、どちらも欠けてはならない主人公なんだろうという事で
一度話を終えようと思う。

物語調で進んでいく話はさくさくと読み勧められる。
地の文よりも会話文が多いので、地の文があまり得意じゃない人にもお勧め。

とにもかくにも一言で言うならゆったりとした雰囲気が好きだ!という事です。
シリアスファンタジーが好きな人は一度読んでみてはいかがでしょうか。
読み進めていく内に隠された真実が徐々に明かされていくので
一気に読むと気持ちがいい、そんな話でした。

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